Semiparametric proportional rates methodを用いた解析 NEJM2019年

本日はこの論文 Angiotensin-Neprilysin Inhibition in Heart Failure with Preserved Ejection Fractionのmethodについて勉強しましたので、まとめたいと思います。

背景

アンジオテンシン受容体-ネプリライシン阻害薬のサクビトリル-バルサルタン (sacubitril-valsartan)は、心不全による入院や死亡を減らすことができるか。

その中でも、心臓の駆出率が保たれた心不全ではまだわかっていないため解析を行なった。

研究デザイン

ランダム化比較試験 (RCT:Randmized Control Trial) です。

RCTとはある集団をランダムに2つに分けて、介入あり/なしのグループを作り、違いを確認する試験です。

Figure 1より抜粋

PICO

P (集団):HFpEF (Heart Failure with preserved Ejection Fraction) 患者

I (介入):サクビトリル-バルサルタン

C (対照):バルサルタン

O (アウトカム):心不全入院と心血管系死亡の複合イベント

統計解析方法

Semiparametric proportional rates methods of Lin et al.を使用した。

これによりイベント発現率の比を評価している。

このように、次のイベントが起こるまでの時間を統計モデルで表現する、再発イベント解析の一種。

Cox比例ハザードモデルの拡張版で、同じ人に何度も発生するイベントの発生率を解析する手法である。

同様のモデルとしてAnderson-Gill modelが知られているが、同じ人のイベント発現に相関があることを考慮し、ロバスト分散推定量を用いる点が異なっている。

結果 (Primary Outcomeのみ)

526名のサクビトリル-バルサルタン使用群では894回のprimary event (690回入院、204名死亡)があった。

557名のバルサルタン使用群では1009回のprimary event (797回の入院、212名の死亡)があった。

以上より、rate ratio0.97、confidence interval 0.75-1.01; P=0.06となり、有意差はなかった。

Discussion

負の二項回帰モデル (Negative Binomial Regression) もポアソン回帰モデルもカウントデータを解析するときに使う手法です。

何回入院があったのかなどのカウントデータを用いるのですが、今回のSemiparametric proportional rates methodとはどう違うのでしょうか。

ポアソン回帰の場合は、観察期間中の発生確率が一定であるということであり、個人ごとの再発回数が多く、再発率が再発間で大きく変化しない場合に用います。

今回のSemiparametric proportional rates methodでは1つ1つのイベントの発生に関して、それぞれの情報が考慮されます。

つまり、個人間ごとの再発が多くなく、再発率が再発ごとに変化する場合はこのSemiparametric proportional rates methodを用います。

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